鏡面仕上げのやり方

自作シルバーアクセサリーの完成度を左右するのが最後の仕上げです。仕上げ方法にも色々ありますが、基本である鏡面にうまく仕上がれば、見た目がかなり違ってきます。

貴金属の中でも、特に銀は一番光の反射率が大きいので、鏡面仕上げにすることによってシルバーの良さを最大限に引き出すことが出来ます。

鋳造品についている湯道を取り除く

鋳造(キャスト)されて地金になったものを見ると湯道という出っ張りがついています。湯道は鋳造の時に地金を流し込んだ跡です。

短ければヤスリで削ってしまえばいいですが、長めの場合は糸鋸フレームに地金用の鋸刃をセットして切り落としましょう。湯道のついていた所はヤスリをかけて鋳造に出す前の元の形に戻しておきます。

キャストの状態をチェックする

鋳造品をルーペでよく見ると、表面がわずかに凹んでいるところがあります。これは「ス」と言われるもので、キャスト品特有のものです。

小さい「ゴマ巣」が沢山あると磨いても鏡面にならず、表面が曇ったように見えるので、削れるところはできるだけ削って取り除いておいてください。

削っても取り除けないような深い「ス」は、ロウと地金の欠片を使って埋めておきましょう。地金が流れていないようなところがあれば、修復しておきます。

表面を耐水ペーパーで磨く

キャスト品全体の形を整えたら、いよいよ鏡面仕上げに入っていきます。耐水ペーパーを#240〜1500くらいまでかけます。数字が大きいほど目が細かくなります。

全部の番数をかけなければいけないわけではなく、様子を見ながら適宜使い分けて下さい。少し面積の広く平らな所は、ペーパースティックなどに両面テープで耐水ペーパーを貼りつけて磨きましょう。

耐水ペーパーの目を段々細かくしていきますが、前にかけたヤスリ目を残さないようにしましょう。荒いヤスリ目が残っていると、それより細かいヤスリでは目を消すことが難しくなります。

リューターの先にマンドレールなどを取り付けて磨くようにすると効率的です。細かいところまで磨くように使う道具を工夫してみて下さい。

ヘラでならして鏡面にする

鏡面仕上げも終盤に近づいてきました。耐水ペーパーを#1000〜1500くらいまでかけ終ると表面がかなり滑らかになっていると思います。

次はヘラと呼ばれる金属棒を擦りつけて耐水ペーパーのヤスリ目をならしながら鏡面にしていきます。

道路工事でアスファルトを敷設するときに大きいローラーのついた車で道路をならしてますよね?あれと同じようなもので、耐水ペーパーをかけてついた表面の細かいムラをヘラでならしていきます。

ヘラを使う前に、ヘラの先をルーペでよく見て傷がないかチェックします。ヘラの新品を使う場合は特によく見るようにしましょう。

傷がついたままのヘラで磨くと、地金の表面にもその傷がついてしまい鏡面になりません。傷がついていたら、あまり硬くない木の板に青粉(青棒)をこすりつけ、そこにヘラを押し付けるようにして磨きます。

ヘラを磨くと、おそらく緑の粉が黒くなると思います。黒くなるのは磨けている証拠です。リューターがあれば、豆バフなどのポイントを先につけてヘラを磨くと効率が良いです。傷が深い場合は、それは#1000〜1500の耐水ペーパーを軽くあててから青粉で磨いてください。

ヘラがけは先端の尖った所より少し手前の丸いところを地金表面のヤスリ目に擦り付けます。ヘラが当たる所に少しだけ水をつけると動きがスムーズになります。

ぬり絵をぬりつぶすような感じでヘラを動かしましょう。表面が滑らかでかなり滑りやすくなっているので慎重に。一回で仕上げてしまおうと思わずに、最初は全体的に軽くあてて徐々に強く押し付けるようにしましょう。

手元が狂ってヘラ先で地金表面に傷をつけてしまったら、工程を戻って耐水ペーパーをかけなおしてください。

ヘラをかけるかわりに、リューターの先にシリコンなどでできた粒度の細かいポイントをつけて磨くという方法もあります。ヘラをかけたような硬質感は得られませんが、こちらの方がヘラをかけるよりも効率的に作業を進めることができます。

バフやウィノールで磨いて鏡面を仕上げる

ヘラで磨き終わって見ると、ところどころ白く筋っぽいのが残っている場合があります。そこはヘラが当たっていない部分なので鏡面になっていません。

地金の表面は平坦に見える所でもわずかに凹凸があります。磨き残しであれば磨けばいいのですが、ヘラが入らないところはバフをかけて消しましょう。

バフがけは業務用の大きいバフモーター(バフがけ専用の機械)があれば楽ですが、普通はリューターに頼ることが多いでしょう。リューターの先に豆バフという布のついたポイントをつけて、回転させながらそこに青棒などの研磨材を擦りつけます。

それから、研磨材のついた豆バフを回転させながら地金に押し付けて磨きます。バフをかける時は研磨材の粉が飛ぶので、エプロンやマスクなどの防塵具をつけましょう。

バフにつけた研磨材は地金にあてるとすぐに飛び散ってしまうので、布バフにはマメに研磨材を補充して、研磨材はケチらずしっかりつけるようにしましょう。

リューターが無い場合は、セーム(鹿革)にウィノールをつけて根気よく磨くことで鏡面に近づけることができます。ウィノールを使う場合、耐水ペーパーはかなり細かい番数までかけておくとよいでしょう。

表面の汚れを洗浄する

ある程度バフをかけたら、鏡面になっているかチェックするために洗浄します。こびりついた研磨剤を落とすには、超音波洗浄機あれば便利です。

超音波洗浄機がなければ、いらない湯のみなどに磨いたものを入れ、台所洗剤かマジックリンなどをちょっと入れて、熱湯をそそいでしばらく置いておくと研磨材が取れやすくなります。

洗浄機もいろいろ種類がありますが、趣味で使う程度であれば、高価な洗浄機を買う必要は無く、メガネや時計のバンド洗浄などに使う一般的なタイプがあればよいでしょう。

凹んだところなどは、毛先の柔らかい歯ブラシなどに洗剤をつけて軽く叩くようにすると取れやすくなります。研磨材が取れるまで何度か繰り返しましょう。

洗浄が終わったら、バフをかけた跡を見て鏡面に仕上がっているか確認します。鏡面の仕上がりに満足いかなければ、工程を戻って磨き直しましょう。

作ったものの形によっては、どうしても鏡面にならない所が出てくると思います。それを考慮に入れてデザインするというのも1つの手です。鏡面仕上げをする箇所の形状に合わせて道具を加工、自作している人も多いです。

凹んでいる所は鏡面仕上げではなく、燻し(古美)仕上げで黒くしてしまうのもよいでしょう。細かい部分をどうしても鏡面仕上げにしたいというのであれば、電解研磨とかバレル研磨のような専門機械を使った磨きも検討してみて下さい。

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