ナスの様々な品種と、ナス科の野菜

ナスはインド原産の野菜である。日本で栽培が始まったのは奈良時代あたりから。皮や実の部分にはポリフェノールが含まれている。 丸型のタイプとか長尺のもの、小型など、形や大きさのバリエーションが多い。 各地方では、その土地のローカル色を反映した様々なナスが栽培されている。8〜9月にかけての秋口が旬。

ナスを買う時は、張りや色、ツヤなどの状態を見るようにする。良いナスには張りと光沢がある。色は濃いものを選ぼう。 ヘタの切り口や、その周辺についているトゲもチェックする。切り口が新しいものや、トゲが鋭く尖っているものは良いナスである。 ヘタの切り口が乾いた感じになっているナスは避ける。

ナスは乾燥に弱く、風が直接当たるとしなびてしまう。ポリ袋へ入れるか、新聞紙で包むようにすると、水分の蒸発を抑えることができる。 冷蔵庫での冷やし過ぎにも注意。ナスは低温に弱い作物である。温度が低すぎると低温障害をおこし、中身が黒くなってしまう。

ナスは油との馴染みが良いので、炒め物や揚げ物のような料理に向いている。 調理する際は、素早い加熱を心がける。ナスは熱の浸透が遅いと旨みが逃げてしまう。

千両なす

タキイ種苗が昭和36年に開発したナス。規格や品質が安定しており、収量も比較的多いので栽培しやすい。 生産者好みのナスである。関西では、大阪や京都、奈良などが主な産地になっている。瀬戸内の岡山や徳島でも栽培されている。 千両茄子は万能型のナスで、漬物や煮物、揚げ物など、どんな料理でも美味しく調理することができる。

長なす

20〜25cm程度の長さに成長するナス。東北や四国、九州などで栽培されている。黒陽や筑陽などの品種がある。 どちらかというと西日本で好まれる傾向が強い。生産する地域によって、ナスの形が微妙に違う。焼きナスにすると美味しい。

大長なすという大型種のナスは、長ナスよりもさらに長い。 代表的なのは、久留米長(くるめなが)や博多長(はかたなが)などで、その長さは40〜45cmにも達する。 これらのナスは実が柔らかく、アクも少ない。焼きナスや煮ナスに向いている。

米なす

欧米から入ってきた大型のナス。米なす(べいなす)は緑色のヘタが特徴になっている。 実がしっかりと締まっているので、加熱崩れしにくい。生産量や取り扱い高の大部分を高知県が占めている。 大きさを活かした料理法としては、肉詰めが挙げられる。くろわしや、早生米国などの種類がある。

ナスは、油との相性が良い野菜として知られているが、中でも米なすは特に親油性が高い。 西洋で発達したナスなので、ピザやグラタンなど、洋食的な料理に利用すると良さが引き立つだろう。 大味気味なので、漬物にはあまり向かない。

水なす

水分を多く含むナス。アクが少ないので生食に向いている。代表的な産地は、大阪の泉州地域。 ハウス栽培物が出回るようになり、入手しやすくなった。浅漬けや、ぬか漬けなど、漬物にして食べると美味しい。 何枚かの縦切りにした水ナスは、わさびベースのソースによく合う。他の生野菜と組み合わせて、サラダにするという食べ方もあり。

丸なす

硬めの皮と、少ない水分量が特徴。丸ナスの大きいものは、直径10センチ以上、重さは1キロ近くに達する。 東北や関西で栽培されている。中身が詰まっているので煮崩れしにくい。田楽にして食べるのが一般的。

丸ナスで一番有名なものは、京都の賀茂なすであろう。上賀茂や西賀茂が特産地になっている。 三角形のヘタや、鋭いトゲ、鈍く光る紫色の表皮などが特徴。賀茂なすは、京都の伝統野菜に認定されている。 いわゆる、ブランド野菜と言われるものの一種である。

小なす

巾着型をした小型のナス。一口サイズの可愛らしいフォルムが特徴。小なす一つの重さは、平均で約12〜13グラム前後。 山形産の出羽小ナスや、民田ナスが有名。漬物や天ぷらにして食べると美味しい。

なす科の野菜

ナスと同じ科に属する野菜の中から、ほんの一部を紹介。

パプリカ

唐辛子の仲間で熱帯原産。6〜8月の夏場に旬をむかえる。流通しているパプリカの主流は、オランダから入ってきた大型のもの。 表面に張りとツヤを有するもの、発色が均一で濃いもの、ヘタの緑色がキレイなもの、 パプリカを買う時はこういった条件がポイントになる。

冷蔵庫に入れておけば5〜6日間は保存できる。パプリカは冷やし過ぎると風味を損なうので、保存の際は温度に注意する。 料理の彩りや、色彩的なアクセントに使うと効果的。赤いものを乾燥させ、粉末状に砕くとパプリカスパイスになる。

パプリカはカラーピーマンと呼ばれることもあるが、この2つは微妙に違う。 カラーピーマンは、ピーマンが熟して赤や黄色になったもの。それに対しパプリカは、ボディが大きく肉厚な品種のことを言う。 カラーピーマンとパプリカでは保存できる期間も異なる。 完熟ピーマンはパプリカほどの保存性を持ち合わせていないので、傷むのが比較的早い。

ピーマン

パプリカ同様、唐辛子の仲間で、熱帯地域が原産である。22〜30℃くらいの温度が栽培に適している。 良いピーマンを見分けるポイントや、保存方法などは、パプリカの場合とほぼ同じ。 肉詰めや青椒肉絲(チンジャオロース)に使うと美味しい。肉との相性が良い野菜である。 苦味を少し残すくらいの感じで調理すると、ピーマンの風味が楽しめる。 赤や黄色に完熟したピーマンは、料理の彩り添えに使える。

シシトウ

ししとうは、シシトウガラシの略称である。原産や栽培環境など、ベースの部分に関してはピーマンとほぼ同じ。 小型で皮が薄いという特徴を持つ。我々が普段食べているシシトウは、成熟前の実を収穫したものである。 トウガラシの甘い版だが、食べていると辛いものに当たることがある。(辛い獅子唐が出現する割合は、10個に1個ぐらいとのこと。)

ししとうは炭火焼や天ぷらにすると美味しい。直火に当てると焦げやすい。 辛味の少ない「伏見甘長(ふしみあまなが)」や、15センチほどに成長する「万願寺とうがらし」などが同じ仲間に含まれる。 万願寺とうがらしの「万願寺」は、舞鶴にある万願寺地区のこと。ここで作られていたことが名前の由来になっている。

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